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プリンス×プリンセス

第43章 酔ったせいにして

「夜伽…誰か、選ばなきゃいけないんだろ?」

わざわざこんな書類を作るくらいだ。

ディオが望むか望まないかは関係なく、選べって事なんだろ?

俺が書類に視線を投げると、ディオは短く息を吐いた。

「妊婦に…ティアナに負担をかけないよう、策を講じた結果だ」

え?姉上?

ディオの言葉が意外すぎて、キョトンと見返す。

そういうのって…どっちかって言えば、男側の為だろ?

お前の為に…じゃないのかよ!?

「だが…必ずしもではない」

俺を見上げて、ディオは小さく笑う。

何で笑うんだ?

それに…それって、どういう意味だよ!?

ディオの意図が掴めずに、眉を寄せて考えを巡らせていると

「それに俺は、他の女を抱く気はない」

ディオのはっきりとした口調に、ふっと力が緩むのを感じた。

「…そっか」

ため息混じりにこぼれた声は、少し震えていた。

王室の慣習もなげうつほどに、ディオは姉上を大切に想っている、って事か。

喜ばしい話だ。

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