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プリンス×プリンセス

第44章 唇の痕

気にしてるのが馬鹿みたいだ。

俺の事なんか…どうせ、女の代用品くらいにしか思ってないんだろ!?

それなら、せめて…

「……床、とかは…嫌だ」

言った途端、身体中から蒸気が沸き立つんじゃないかって位、熱くなった。

こんなの…辱しめ以外の何者でもない…!!

おそるおそるディオを見上げれば

「元よりそのつもりだ」

そう言って、目を細めて笑みを浮かべると、俺に手を伸ばして…

「へ!?うわっ!!」

身構えるより早く、ディオに抱え上げられた。

抱え上げる?

違う。

お姫様抱っこみたいなものではなくて、荷物のように肩に担ぎ上げられたんだ。

「下ろせよ!!」

ディオの肩に腹を押し付けてくの字になりながら、手足をばたつかせて抗議すると

「暴れるな」

あきれたような声と共に、両足を抱えるように押さえ付けられて、身動きしにくくなる。

上半身が逆さ吊りにされているような体勢でもがいたからか、眼鏡が…

「あ!」

眼鏡のつるが頬を滑り落ちていった。

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