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プリンス×プリンセス

第44章 唇の痕

うわ。めちゃくちゃ低反発。

ディオの奴、いいベッドで寝てんだな。

身構えていた分、痛みが無かったことにホッとしていると

「どこか痛めたか?」

ディオが近付いて、手を伸ばして来た。

反射的に体が竦んでしまう。

「そんなに怯えるな」

頬に触れた手は温かくて優し気で…壊れ物を扱うように、そっと触れてくる。

怯えたように見えるのはお前のせいだろうが!?

なのに…そんな柔らかな色の瞳で見るなよ!!

ディオの指が、俺の顔にかかった髪を払い、輪郭を辿るように顎にかかる。

撫でるような触れかたに、ゾワゾワと劣情が湧いてしまい…

「やめろ…っ!」

思いを打ち消すように、強い口調で言ったのに

「床でなければいいんだろう?」

ディオは笑いを浮かべたまま、全く動じていない。

むしろ、俺の方が動揺してしまう。

確かに言ったけど!!

「それはお前が…」

その先を言い淀んでしまうと、ディオは視線で続きを促してきた。

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