テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第44章 唇の痕

赤くなってる顔を見られたくない!

咄嗟に両腕で顔を隠した。

何か…隠せるもの、ないか?

その辺をまさぐっても、枕しかない。

「細いな」

ディオの声に、びくんと体が引きつる。

どこを見ての感想だよ!?

腕の隙間からディオを窺えば、目線は俺の体を見ていて…

不意に、脇腹を撫で上げられた!!

「んあっ!!」

予想してなかった感触に、思わず声が出た。

甲高い自分の声に、恥ずかしさが増していく。

「触んな…っ!!」

俺の声が聞こえない訳じゃないだろ!?

なのに、ディオの指は脇腹からみぞおちを辿って、へその近くに下りていく。

「子供みたいな体だな。もっと肉をつけろ」

貧弱だって言いたいのかよ!!

お前の好みじゃなくて悪かったな。

「そんなの…姉上の代わりが出来なくなるだろ」

ゾクゾクする感情をなるべく抑えて話す。

子供が出来て、またいつ体調を崩すか分からない。

いつでも手助けができるように、無駄な筋肉なんかつけるつもりはないんだ。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ