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プリンス×プリンセス

第7章 俺が守るから

すると扉が開き、主治医が戻ってきた。

俺達がいると思ってなかったのか、一瞬目を見開き

「ディオチェスター様、こちらでしたか」

にこやかな笑顔を浮かべた。

「あれの様子はどうだ?」

あれ。

また、姉上を『あれ』呼ばわりしている事に苛立ちを感じてしまう。

そんな俺の気持ちに誰も気付かず、主治医は悲しそうな表情で首を振った。

「非常にショックをお受けのご様子。本日はこのまま休まれた方が…」

え!?

そんなにひどい状態なのか!?

俺の背に手を回し、真っ赤に染まった自分の手を見た姉上の表情を思い出す。

早く安心させないと。

俺は無事で、真っ赤に染まったのはインクのせいだって説明して…。

姉上のもとに行こうと、医務室を立ち去ろうとしたら

「そうか」

「しかしこれから婚約会見の予定ですが…」

淡々としたディオチェスター王子の返事と、それに慌てているジュークの声が聞こえた。

そうだった。

スピーチの後に記者会見をする予定だったな。

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