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プリンス×プリンセス

第7章 俺が守るから

足を止めて二人のやり取りを見ていると

「分かった。俺一人で対処する」

小さく息を吐いたディオチェスター王子に、ジュークが顔をしかめた。

「先程のスピーチは、生中継ですでに放映されております」

「そうだな」

「勿論、ティアナ様が倒れられた場面も」

…え?

「記者会見にティアナ様が姿を現さなければ、必ず言及されるでしょう」

「だが仕方ないだろう?」

「しかし…」

「ちょっと待てよ」

二人の会話に割って入ると、ディオチェスター王子を見上げた。

「お前一人で何とかなるのか!?」

すると、俺を見て、薄く笑いを浮かべた。

「やむを得んだろう?あれに無理はさせられない」

また『あれ』呼ばわり。

だけど…何だろう?

上手く言えないけど、その言い方が。

姉上を蔑んで言ってるようには聞こえなくて…。

「騒動を引き起こしたのはこちらの過失だ。だから俺が責任をとる」

ディオチェスター王子はそう言うと、俺の脇を抜けて医務室から立ち去ろうとした。

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