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プリンス×プリンセス

第46章 マタニティーブルー

姉上の部屋の前で息を吐く。

いつも通り。

大丈夫。何も変わったことなんてない。

笑みを浮かべてノックをすると、シルフィが応対してくれる。

「あれ?姉上は?」

「今は奥のお部屋にいらっしゃいます」

奥の部屋?

…って、寝室の事だろ?

「姉上、また気分でも悪いのか?」

ここのところ調子が良いって言っていたのに。

「いえ、そうではなくて…検査のようなもので」

検査?何の?

「行ってもいい?」

「あ、では、お伺いして参ります」

一礼して奥へ向かうシルフィの後ろ姿を見送りつつ、部屋へ入った。

検査って、自室でする事か?

まさか…身動きできないほど、体調が悪いんだろうか?

漠然とした不安に苛まれていると、シルフィが微笑んで戻ってきた。

「テリオス様、どうぞ」

その様子にホッとする。

良かった。

その表情なら、そこまでじゃないって事だろ?

でも…だったら何の検査をしてるんだ?

悩んでも仕方ないので、寝室へ向かう。

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