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プリンス×プリンセス

第47章 見ていられない

どくん!

俺の心臓が大きく跳ね上がる。

驚いた表情の姉上に、ディオは緩く笑みを浮かべて…

その途端、ギャラリーから悲鳴のような歓声が沸き上がった。

「ディオチェスター様、素敵!!」

「格好よすぎ!」

「同じ事されたいー!!」

その声に、姉上は照れたように頬を赤らめ、ディオは笑みを浮かべて…

思わず、視線を反らした。

別にどうって事はない。

姉上も無事だし。

二人が仲良さげにしているのは喜ばしい事だ。

だけど…そんな姿を見ていると…

左胸の少し上の部分。

ディオの唇の痕が残る場所に手を置く。

……熱い…

あの時の唇の温度が残っているみたいに…熱い。

熱を封じ込めるように手に力を込める…と

「テリオス様?」

急に話しかけられて、慌ててその方向を見れば

「ジューク…」

「お体の具合でも?」

胸を押さえているようにでも見えたんだろうか。

珍しくこっちを窺うような素振りのジュークに、自然と頬が緩んでしまう。

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