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プリンス×プリンセス

第47章 見ていられない

「いや、大丈夫だ」

「そうですか?」

握っていた手を離し、取り繕うように笑いを浮かべてみせる。

けれど、それで納得するジュークではなくて…

「見ていられませんか?」

「え?」

「お二人を」

ジュークの視線の先には姉上とディオがいて…

「な…何で…?」

気持ちを言い当てられて、言葉に詰まってしまう。

どういう意味だ?

お前が俺の気持ちなんか知るわけもないだろ?

なのに何で…?

固唾を飲んでジュークの言葉を待てば

「全く…見ているこっちが恥ずかしくなるほど、仲睦まじいですね」

あ…何だよ。そっちかよ。

予想していたのとは別の方向に話が転がっていった。

「全くだな」

だよな。

ジュークが気付く訳がない。

同意して、思わず安堵の息を洩らす。

すると、ジュークは俺に視線を落として

「お体は…本当に大丈夫なのですか?」

労る、と言うよりも、念を押すような聞き方じゃないか?

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