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プリンス×プリンセス

第48章 親類付き合い

「飲みたいのですか?」

細長いグラスを手に、意外そうに訊ねられて

「いや…別にそうでもないけど」

ただ単に、ディオには届きにくそうだから、受け渡しをしてやろうとしただけなんだけど。

余計なことだったか?

すると、ジュークは短く息を吐くと、うっすらと笑みを浮かべた。

「妊婦は飲まれない方が良いのでは?」

「は!?」

何言ってやがるんた!?

「いえ」

俺が驚いて目を見張ると、ジュークは首を振り

「いつ、どこで、誰が見ているか分かりませんから」

そして、くくっと…意地の悪い笑みをこぼした。

「常に意識していないと、足元を掬われますよ?」

その笑みと言い方。

以前みたものによく似ているのを思い出した。

「それは…シエンタの事か?」

ルークスに探らせていたと話していた、あの時のものと…

「ああ…あの方は甘すぎですね」

俺の心の奥に沸き上がった感情に気付かないのか、ジュークは事も無げに言い放った。

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