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プリンス×プリンセス

第48章 親類付き合い

「この時期、ティアナ様が外訪される。それだけでメディアは動きますから」

確かにな。

この前の小学校の訪問の時も、テレビや新聞社のカメラマンがかなり集まっていた。

姉上のシルエットの変化を見逃さないとするかの様にシャッターを切っていたな。

納得しかけた所で、ジュークが畳み掛けるように言った。

「ご自分の国の宣伝のため、と考えるのが妥当かと」

…分かるよ。

分かるんだけど。

「客寄せか」

ふう、と息をついて、背もたれに沈み込んだ。

途端に腹に巻き付けたダミーが、重さを増した気がした。

姉上の代わりをするために、妊婦に見せようとお腹を膨らませている。

普段こんなもの着けないから、違和感が半端ない。

だけど…そんな事のためにこんな格好をしているのかと思うと、ため息が漏れるのは仕方ないだろ!?

「そうだろうな」

空になったグラスをジュークへ戻し、ディオが面白そうに話す。

「それでなければ、招くなどあり得ないはずだ」

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