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プリンス×プリンセス

第49章 騙しあい

冷たい目に、冗談じゃない事がわかって

「ごめん…」

思わず謝ったものの、疑問は残る。

「何でそんなに…」

「それを口にするな」

ディオは俺の手を跳ね上げて、テーブルから遠ざけると、信じられない事を言った。

「何が入っているか分からない」

え!?

忌々しげに言って、一人掛けのソファーに勢いよく座り込む。

足を組んで、肘掛けに肘をつくその姿は、不機嫌としか言い表せないものだった。

改めてテーブルを見る。

焼き菓子やチョコレート、艶やかで瑞々しいフルーツや、軽食用のサンドイッチ…

どれも美味しそうに見える…のに

「お前のために用意されたものだろ?」

「だからだ」

短い一言ですべてを打ち壊された。

言葉に詰まった俺に、ジュークが口を添える。

「ここにあるものより、パーティ会場で誰もが食するビュッフェのほうが安全かと」

安全って…

もう一度テーブルを見る。

そんな俺に、ジュークは「あ、そうそう」と付け加える。

「手渡しで渡されるお飲み物には注意して下さい」

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