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プリンス×プリンセス

第49章 騙しあい

ジュークがしていることをポカンと見ていると

「口にした痕跡を残しておきませんと」

そう言いながら、同じようにもう1客のカップにも半分ほど紅茶を注いだ。

「警戒しているのを悟られるのは損です」

「そんなことで騙される程単純なら簡単だがな」

「しないより良いと思いますよ?」

二人の様子からすると、最初から承知の上だったのがよく分かる。

親戚じゃない、親類。

ディオの言う意味が何だか分かってきた。

分かってきた…けど。

何なんだよ!!

親しみなんか一切ないじゃないか!

その間にも、ジュークは着々と偽装工作を進めていく。

その様子を見てため息をつくと、ディオに話しかけた。

「だから日帰りなのか?」

なるべく短い時間しか滞在しないってのも。

俺のボロが出るからって言ったけど、実はヘタなもの食わされる前に帰るつもりで…?

すると、ディオは眉を上げて俺を見上げると、ニヤリと笑った。

「泊まりたかったか?」

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