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プリンス×プリンセス

第49章 騙しあい

「ちょ…おい!!」

引かれるまま、後ろへ数歩下がり…

そのまま後ろから抱き込まれる。

ディオの体温と、匂いと…

頬にディオの髪が触っている。

久々のその感触に、胸が痛いくらい甘く震えて…

「何を照れている?」

面白がるような声に、体の芯が熱くなる。

こんなの…照れるなって方が無理だろ…?

「離せって」

身動ぎしても、ディオの腕の力はそのままで

「やっと二人きりになれた」

耳元で囁かれたのと同時に、耳たぶを甘噛みされる。

「んあっ!?」

「ゆっくりと寛がせてもらうか」

笑いを含んだ声で囁かれて、体温が上がってしまうのを自覚する。

寛ぐって…

「そういう意味じゃ…」

言いかけた途中で顎をくいっと持ち上げられると

「傍目から見ても、夫婦が仲睦まじくしているだけだ。問題はない」

余裕綽々な顔で俺を見るディオに、何て言えばいいか迷ってしまう。

「だ…だけど…」

他の人ならそうかもしれないけど。

ジュークが戻ってきたら、そんな事言えないだろ!?

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