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プリンス×プリンセス

第49章 騙しあい

「だけど」

言いかけたところで、ディオに唇を塞がれる。

久し振りのキス。

唇の柔らかさも、舌が擦れ合う刺激も、次第に上がっていく息も…

久し振りすぎて、その心地よさに酔いしれてしまう。

ディオ…

心の奥底で、ドロリとした欲望が沸き立つ。

好きだ。

ディオと過ごすこの時間がずっと続けばいいのに。

唇が離れて、至近距離で顔を見合わせる。

ディオの目に、俺はどう写っているんだろう?

キスだけでこんな…

胸が高鳴って、苦しくて…愛しくてたまらない。

するとディオが、俺に回した手を緩めた。

…終わり、か。

ディオから離れようと体を退くと

「テリオス」

耳元で低く名前を呼ばれた。

それだけで動けなくなる。

熱くなった頬を隠したくて顔を伏せると、ディオの笑い声が降ってきた。

笑うなよ!!

ディオに頭を撫でられて、そのまま抱き締められて…

腰に手を回そうとしたディオがぼそりと呟いた。

「邪魔だな」

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