テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第50章 尊い人

ただでさえ背が高いのに。

シャンデリアの灯りで、ディオのプラチナブロンドが輝いてる。

いつもより艶めいて見えるのは…気のせい、だろうか?

ワルツを踊るディオへ、パートナーの女はやけに熱のこもった視線を向けていた。

さて…あと3人。

あと3人とディオがダンスを踊ったら。

俺の様子を気にかけて戻ってきたディオに、少し気分が優れないと訴えて、中座して帰路につく。

長居をしないための計画がこれだ。

それくらいで丁度いい、ってディオは言うんだけど…

会場を見回して、苦笑いを浮かべる。

3人で済むのか?

踊るディオに狙いをつけている女は、俺が気付いただけでも5人はいるんだけどな。

この先の騒動を想像して笑いをこぼしていると、不意に声をかけられた。

「お隣、よろしいですか?」

「え?え、ええ。どうぞ?」

「ありがとう」

そう言って、俺の横の椅子に腰掛けたのは、見た感じ二十歳前後って感じの女の子だ。

背筋をしゃんと伸ばして前を向く姿は凛としている。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ