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プリンス×プリンセス

第51章 微笑み

ジュークが足を止めないから、それに合わせて歩きながら考える。

孫…か。

申し訳ないけど、レジアスという名前に覚えはなかった。

国王が70代として…孫なら俺たちと同世代位なんだろうか?

「どのような方なのですか?」

「コングリッツ国へ嫁がれましたので、今はそちらの皇太子妃ですが」

「皇太子妃」

「ええ」

「へぇ…」

いずれは王妃になる、って訳か。

「だからこそ、ティアナ様と顔繋ぎをしておきたいのでしょうね」

「え?」

だからこそ?

ジュークの言い方に、何かの引っ掛かりを覚えた。

何か…意味でもあるのか?

しばらくの沈黙のあと、ジュークは鼻先で短く笑うと

「コングリッツはそれほどに豊かな財政ではありませんから」

「ジューク!」

おい!!

お前、場所が分かってるのか?

これから会おうとしている相手の…しかも、身内ばかりが集まってる館だぞ!?

それこそ、どこで誰が聞いているか分からないじゃないか!!

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