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プリンス×プリンセス

第52章 信じる力

腕と足以外は痛みも特にないって聞いて、心底ホッとして…

同時に、ゾッとした。

もし、あの場にいたのがテリオスじゃなくて私だったら…

階段を転がりながらお腹を強打して……

最悪、流産していたかもしれない…

「だから気を付けろと言ったはずだが?」

不機嫌なディオに、テリオスが食ってかかる。

「んな事言っても…ふらついてる人を助けようとしただけだろ!!」

「相手を見極めろ」

「…っ!!」

「そんなものも出来ないなら人助けなどするな」

「お前な…!!」

テリオスが顔を赤く染めてディオを睨み付けた。

あ…!これ以上は駄目!!

止めに入ろうと口を開きかけると

「申し訳ありません。私が離れた隙を突かれました」

「ジューク」

ジュークが二人の前で詫びると、頭を下げた。

頭を下げる彼に、ディオはソファーに座ると息を吐き、呟いた。

「それも狙いだったかもな」

ディオの言葉に、部屋の中が静まり返った。

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