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プリンス×プリンセス

第52章 信じる力

自分を叱咤する。

私が震えて…どうにかなるとでも言うの!?

すると、ジュークが思案げに口を挟んだ。

「私が駆けつけた時には、ショックで震えていましたが」

「演技だろう?」

「多分な」

二人に即座に否定されて、ジュークは小さくため息をつく。

「ティアナ様を突き落としたなどと知れたら騒動になる…と言うことでしょうか?」

「そうだな」

思案げに語られたジュークの意見に、ディオは容易く頷くと、うっすらと微笑んだ。

「その点、お前の判断は良かった」

ディオの言葉に、ジュークが驚いたように目を瞬きさせる。

テリオスが階段から転がり落ちて。

意識があったから、立ち上がろうとしていたテリオスの元にジュークが駆け付けて

「自国で調べましょう」

と、テリオスを抱き上げてその場を離れた…らしい。

すぐに対処したから大した騒ぎにもならず、引き留められる事もなくキサンタンガムから戻れた…って聞いたわ。


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