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プリンス×プリンセス

第53章 トラウマ

ディオの目が細められた。

垂れ目気味だから、こうやって笑うと優しい印象になる。

いつもの冷めた笑いも見慣れたけど…

見てて頬が緩むのは…こっちだよなぁ…

「ああ。…あ!でも毎日はやらないからな!!」

安易に頷きかけて…はっと我に返る。

駄目だ!!

こいつに加減がないのを忘れかけてた!!

「何故だ?」

「お前は極端すぎるんだよ!!」

頭に置かれた手を払い、ディオをジロッと睨む。

「姉上の時もそうだっただろ!?」

ディオは理解できないと言うように首をひねる。

「姉上の部屋を薔薇だらけにしたじゃないか!」

「お前こそ…何年前の話だ」

ディオに鼻先で笑われる。

そりゃあお前も出会った頃と比べれば変わったよ?

だけど、こいつにははっきり言っておかないと。

じゃないと、毎日バスルームに薔薇を投げ込まれかねない!!

「自分でしたい時にやるから!!」

「そうか。分かった」

どうでもいいと言いたげに手を振られ、ムッとして唇を曲げた。

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