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プリンス×プリンセス

第53章 トラウマ

すると…

カンッ!!

わざとらしいくらいの音をたてて、ショットグラスがテーブルに置かれる。

「なっ…どうした!?」

すると、ディオは立ち上がって俺の真横に席を移すと、ムッとした顔で俺を見た。

「カムリは良くて俺では駄目なのか?」

はい!?

「駄目って…」

何だ?

ディオの行動に面食らってしまう。

カムリは俺のお世話係りで…だから、身の回りのことをしてもらうのはあいつの『仕事』だろ?

怪我の手当てなんて、カムリに頼むのが当たり前で。

なのに、自分とカムリと比べるなんて、どうしたんだよ!?

「カムリには随分と気を許している様だな」

「気に入らないのか?」

「馴れ合うのはよくないと言ったはずだ」

「馴れ合ってない!!信頼してるだけだ」

「ほう、信頼か」

呟くようにそう言うと、ディオは目を細くした。

その目の鋭さが、まるで狩りをする肉食獣のようで…ゾクッと背筋が凍り付く。

「ならば俺は信頼されていないという事だな」

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