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プリンス×プリンセス

第53章 トラウマ

「違っ…!そうじゃなくて!!」

「ならば何故俺では駄目なんだ?」

うわ。ループしてる。

同じ質問を繰り返して…このままじゃ堂々巡りだ。

「そ、それこそ、立場だろ!?」

さっきと同じ答えにならないように頭を働かせる。

「一国の王子が人の世話を焼いてたら駄目なんじゃないか?」

わざと眉をひそめてみせると

「言うようになったな」

フッ…と鼻先で笑われた。

人を馬鹿にする態度をとるのは、こいつの癖みたいなもんなんだろうか?

それって…国王の後継者として、どうなんだろう?

早いところ改めたほうがいいんじゃないか?

そんな事を考えていると、ディオが俺の手からショットグラスを取り上げた。

「まだ呑んでる!!」

「必要以上に触らせるなよ」

「は?」

「カムリに、だ」

何言ってんだ?

戸惑う俺の頬に指を這わせながら

「お前は俺のものだ」

そう呟いて…唇を重ね合わせる。

そこでやっと気付いた。

あのなぁ…!!

妬いてんじゃねぇぞ!!

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