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プリンス×プリンセス

第53章 トラウマ

その頃…

ジュークは廊下を歩いていた。

頭に浮かぶのは、ティアナの姿。

自分の腕の中で嗚咽し…そのまま、泣きつかれて眠ってしまった。

起こさないよう慎重にベッドに運び…

彼女の頬の涙を拭う。

せめて夢の中では幸せでいられるように。

そう願わずにはいられない、そんな寝顔だった…

ふぅ…とため息をついて首を振る。

泣かせないと誓った。

その言葉も、その想いも間違いないものだ。

なのに…

もう一度ため息をつく。

そしてそのまま、ディオチェスターの自室へ向かう。

今日の報告と、キサンタンガムへの対策。

先程半ばで終わってしまった話をするために。

部屋の前まで来て、扉をノックしようと手を上げる。

その時、部屋の中の声が漏れ聞こえてきた。

この声は…テリオス様か?

何を話しているのかは聞こえづらいが、口調からして何かを言い争っているみたいで…

ふぅ、と深くため息をつく。

全く…あなた方は…!

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