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プリンス×プリンセス

第54章 違和感

そんな俺を見て、何か思うところがあったんだろうか?

カムリは笑みを消すと、首を傾げて…

「また…何かありましたか?」

「え?何が?」

「前にも同じような顔をされていました」

俺の様子を窺うような、ためらいがちの声。

カムリがこんな口調で聞いてくるのは珍しい。

カップをテーブルに置いて、カムリに視線を向けると

「…ディオチェスター様、ですか?」

緊張しているかのように肩に力を入れて、その名を口にした。

ん?

ディオ?

何でディオが出てくるんだ?

カムリの言った意味がわからなくて、思わず眉をひそめると

「お相手です」

その一言に、咄嗟に目が揺れる。

「相手…って…」

何でカムリが知ってるんだ…?

いや、カムリが気付く筈はない。

じゃあ…

まさか…ジュークが…?

紅茶を選びながら話した、とか…言うのか…?

ドクン、ドクンと自分の鼓動がやけに大きく聞こえてくる。

俺を見るカムリは…段々と眉を下げて…

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