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プリンス×プリンセス

第54章 違和感

「またケンカでもされたのですか?」

……は?

「ケンカ…?」

「今度は何の事で対立されたのですか?」

カムリは困ったような顔で聞いてくる。

……何だよ。そっちかよ!!

思い違いの落差に、吹き出して笑ってしまった。

「テリオス様?」

俺の様子を見て、カムリは目を丸くしている。

ひとしきり笑ったあと

「いや、ごめん」

なかなか収まらない笑いを堪えながら謝る。

「ディオは問題ないんだ。ケンカもしてない」

そうだよな。

カムリの前でさんざんディオの悪口言ってるもんな。

いがみ合ってると思われてても仕方ないよな。

そう思ったら、また笑いが沸き上がってくる。

笑みを浮かべたままティーカップを手に取り…

「では…どなたと?」

口に運ぶ途中で問いかけられ、動きが止まる。

「もしかして…ジューク様ですか?」

「…んな訳ないよ」

フッと息を吐いて、無理矢理笑みを貼り付けると紅茶を口にする。

カムリ…鋭くなったな。

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