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プリンス×プリンセス

第55章 念願の日

それから…

姉上は無事、子供を二人産んだ。

男の子と女の子の双子。

何か、俺達みたいじゃないか?なんて思ってしまう。

姉上が落ち着いた頃を見計らって、少しだけ顔を覗かせると

「テリオス…」

「姉上、お疲れ様」

俺の労いに、姉上はにこっと微笑む。

その微笑みも、普段より元気のないもので…

やっぱり出産って大変なんだとつくづく思い知った。

「顔…見てくれた?」

その問いに首を横に振ると、姉上は驚いたように目を見張って

「どうして?」

「いや…何か、アイツより先に見るの、悪いって言うか…」

言いながら苦笑いが浮かぶ。

もしも今日、ディオが不在じゃなかったら。

アイツは今頃、どうしているんだろう?

姉上の出産にも立ち会ったりしていたんだろうか?

産まれた子供をどんな顔で見るのか…

それが気になってしまう。

こんな気持ちで姉上の子と会うなんて…不純すぎていたたまれない。

けれど、姉上はそんな事を知らない。


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