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プリンス×プリンセス

第56章 二人の子供

オルティアはそう言いながら、他のメイドと交代しようと、内線電話に手を伸ばす。

その行動に、心の中で舌打ちをした。

他の者に代わられたら、チャンスを逃してしまう!

咄嗟にオルティアの手首を掴むと

「構いませんよ。私が残ります」

「え…ジューク様が…?」

目を見開いて、驚愕に似た表情を見せるオルティアへ

「はい。他の方の手を煩わせるのはしのびないですし。あなたが戻るまでの合間なら大丈夫でしょう」

そう告げてにっこり微笑んでみせた。

「は…はぁ…。本当に大丈夫ですか…?」

迷いの素振りをみせる彼女へ

「手に負えないようならすぐに連絡を入れます」

ダメ押しをすると、オルティアは何度か頷き

「分かりました。…すぐに終えて戻りますので」

「はい。よろしくお願いします」

オルティアは俺とディオチェスター様に頭を下げて挨拶をすると、急ぎ足で部屋を出ていった。

頼んだ仕事の量からして、彼女なら急げば20分ほどで戻ってきてしまう。

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