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プリンス×プリンセス

第56章 二人の子供

急がなければ。

すると、オルティアが消えたドアを見ながら、ディオチェスター様が問う。

「何を企んでいる?」

「何の事でしょう?」

ディオチェスター様に悟られないように、慎重に振る舞った。

「ちょうどいいタイミングで彼女に出会ったので、用を頼んだだけですが?」

微笑んでみせると、ディオチェスター様は鼻先でフッと笑う。

「そんな事より、御子の顔を見てください」

「見た」

「ちゃんと…抱き上げたりしてもいいんですよ?あなたの子供なんですから」

「分かっている。何度も言うな」

ふて腐れたような言い方をすると、ベッドに近付いて覗き込むように御子を見ている。

腰が引けているように見えるのは気のせいだろうか?

「双子と言っても似ないんだな」

「あぁ…まぁ、性別が違う時点で二卵性でしょうから…」

一卵性ほど瓜二つとはいかないのだろう。

「男の子はディオチェスター様に似たのでしょうね」

天使のような髪の色が本当によく似ている。

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