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プリンス×プリンセス

第57章 傍にいてくれ…

揶揄するような口調にカチンときた。

「普段から着替えを手伝ってもらったりで、カムリならこれぐらい見慣れてるはずだ」

だから気にすることもないだろ?

眉を寄せた俺に、ディオはため息をつく。

「お前は一人で着替えも出来ないのか」

「はぁ!?」

あのなぁ!!

人をバカにするのもいい加減にしろよ!?

「お前だってジュークの前で普通に着替えるだろ?」

それとこれと、何が違うんだよ!!

「…まだ理解できないのか」

「は?何が!?」

聞き返せば、もう一度ため息をつかれて…

すっ…と伸ばした指が、俺の頬を撫でた。

「湯上がりで上気した肌を晒すな」

……はぃ!?

説教が始まるかと身構えていたのに。

予想と真逆の行動に、目を見開いて驚くしか出来ない。

「髪も乾かせ。濡れ髪の香りで惑わされないとは限らん」

そう言って、俺の髪を指で弾くと

「ちょ…」

制止する間もなく、俺の首筋に顔を寄せて…

ディオの息が首元をくすぐった。

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