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プリンス×プリンセス

第57章 傍にいてくれ…

「んっ…!」

首筋に走る刺激に、思わず声が上がって…

それに気付いた途端、体温が上がったみたいに顔が熱くなる。

「ディオ…待て…って!!」

お前が惑わされてどうするんだよ…っ!?

ディオの肩を押しやると、俺を見て目を細めて、探るように聞いてきた。

「薔薇の匂いがしないな」

とくん、と鼓動が早くなる。

「だから…シャワー浴びただけだって言ったろ!?人の話を聞けよ!!」

「何故使わない?」

「何故って…」

言葉に詰まる。

そんなの…お前を思い出すに決まってるから。

会わないって決めたのに思い出したら…

口を固く結ぶと、ディオは逆に口の端を上げる。

形よく弧を描く唇が憎らしくて堪らない。

お前…俺の気持ちを見透かしてるんじゃないか?

そして、その上で聞いてるんだろ!?

「そんな気分じゃなかっただけだ。深い意味なんかない」

わざと素っ気なく答えて、ディオから離れようとした。

なのにディオは間合いを詰めたままで…


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