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プリンス×プリンセス

第57章 傍にいてくれ…

「お前に選ばせてやろう」

眉を寄せて険しい表情の俺に、ディオは楽しそうに選択肢を口にする。

「ソファーとベッド。どちらを選ぶ?」

…は?

何の話だよ!?

喉を押さえたまま、目だけでディオに問いかけると

「答えなければ、床に組み伏せる」

な…っ!

その言葉と表情で、それが何を意味するのかを感じ取った。

そして…頭を抱えそうになる。

そんなの、どれを選んでも…

いや、たとえ選ばなくても…

場所の問題だけで、結果は同じなんじゃないか!?

待て!!待ってくれよ!!

「いや、今日は…さ」

俺が今日、何のためにここに籠ってたのか。

「お前にとって、大切な日だろ!?」

初めて子供が産まれたなんて、一生に1度じゃないか。

「こんな日くらい…その…」

俺に構ってんじゃない!!

そう言えばいい。

なのに…その言葉が口から出なくて…つい、言い淀んでしまった。

すると、ディオは小さく息を吐き、呟いた。

「こんな日だから、だ」

へ?


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