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プリンス×プリンセス

第2章 姉上の婚約者

ヤバい。あまりにもジロジロ見すぎたかな。

一通り、紹介と説明が終わると

「ディオチェスター王子、何か質問はございますか?」

兄上が緊張した面持ちで話を振った。

「いや。…そうだな」

何かを考えながら、俺に視線を向ける。

「少し、二人だけで話がしたい」

え!?

「そうですね。妹もこういった場では緊張して話が出来ないようですし」

いやいや、緊張してるのは兄上だろ!?

「では我々は席を外して…」

「お前の部屋に行きたい」

「え!!」

「その方がお前の人となりが分かるだろう?」

そう言って、フッと笑った。

何だぁ!?

今の、小馬鹿にしたような笑いは!!

初対面から『お前』呼ばわりされるのも気に食わない。

それに。

姉上の部屋には、姉上が寝てるんだから…通せる訳ないだろ!?

「部屋よりも、私を知っていただける場所がありますの。そちらへ行かれませんか?」

俺は、にっこりと笑いを浮かべると、王子を誘ってその場所へ移動した。

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