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プリンス×プリンセス

第58章 裏切りの証言

すると…

一瞬の間のあと、ふっ…と笑みを浮かべたんです。

「詳しくは後で。まずは病院へ行かないと」

姫君様を引き出されてしまえば…

まぁ、それでなくても口論などする場ではないのは分かっています。

車まで周りを警戒しながら進み…

私が姫君様を後部座席のチャイルドシートに乗せました。

ええ。バスケットのまま装着できるタイプのチャイルドシートです。

私が車の準備をしたときに取り付けたものですから、扱いは分かっています。

その間にジューク様が運転席に乗り込み、エンジンをかけて…

姫君様の様子、ですか?

ご機嫌なようで、泣くこともありませんでした。

…え?生きていたか、とは?

まさか、亡くなっていた…とでも?

それはありません。

私は姫君様がまばたきしたのを見ましたから。

暗がりだったので、目の異常が何なのかは分かりませんでしたが、私には普通に見えました。

ですから、ちゃんと生きていましたよ?

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