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プリンス×プリンセス

第60章 罪と信用

男に近付いて…じっくり観察した。

荷物は手に持ってる、あれか?

確かに『片手で持てるもの』だな。

にしても…何なんだ?あれ。

広場のレンガ敷きのエリアに足を踏み入れると、男がこっちを向いた。

それと同じようなタイミングで、鳴き声がして…

バスケットから抱き上げたモノを見て、思わず叫んじまった!!

「赤ん坊!?」

俺の驚いた声に、咎めるように眉をひそめて…

手慣れた手つきで赤ん坊を抱き上げると、胸に抱いてあやし始めた。

「あなたは?」

いや、赤ん坊をあやしてる仕草と、俺を見る目の冷たさが合致してないんだけど!?

男の雰囲気と赤ん坊。

普段触れあわない取り合わせに、何て声をかけたらいいか思い付かなくて…

お互いが無言で向き合った。

そしたら、男が小さくため息をついて…にっこり笑ったんだ。

「何故あなたが?ジャスティはどうしたんです?」

ジャスティ?

ジャスティって…俺に声をかけてきた、あいつの事か?

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