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プリンス×プリンセス

第60章 罪と信用

「そうだな…」

不意に腕時計に目を落とすと

「ならば…付き合ってもらおうか」

男の声音が変わった。

それと共に、腕を振り上げて…

その手には、銀色に煌めく刃物が握られていた!

「ちょ…何?何?どういう事?」

男の振り回す手を避けながら聞いた。

「どこから出した?あんた何者!?」

あんなもんで切られたら、下手したら死ぬじゃん!!

「銃の携帯は認められないので、警察ではありませんよ?」

んな事分かってるっての!!

だからって刃物持ち歩くのもヤバいだろ!?

後ずさりながら避けて、間合いをとって…

逃げるか、立ち向かうか。

どっちの動きをとるべきか考えてた。

だってさ、考えなしに動いたら、確実に斬られるじゃん?

…それくらい、男の目に迷いがなかった…ように見えたんだ。

すると男は感心したように声を上げた。

「思った通り身軽ですね。何かやっていましたか?」

「何かって…こんな事は普通しないだろ!?」

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