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プリンス×プリンセス

第60章 罪と信用

横に振られた腕を避けて、体をのけ反らせながら後退りする。

突然豹変した男に驚きながらも、刺されたくないと必死に動いていると

「普通…そうですね」

男がそう呟き…苦笑いのような表情を浮かべた。

「私は普通ではありませんから」

だからそんな事聞いてないじゃん!!

あんたがどんな人生を歩んできて、どんな感性の持ち主だとしても。

いきなり斬りつけることねーだろ!?

こっちは必死に避けて、息も上がってきてるのに、男は涼しい顔で…

「さて…もうそろそろでしょうか」

俺に刃先を向けた時、男が手にしたバスケットが傾げた。

「って!赤ん坊!!」

咄嗟に叫んだら、男もハッとしたようにバスケットに目線を落とし…

チャンス!!

体勢を立て直すと、男の右手を狙って回し蹴りを繰り出した!!

バシッ!!

思った以上にクリーンヒットを決めたようで、男の手からナイフがぶっ飛び…

カチャン!!

石畳に1度跳ねたあと、カラカラと音を立てて滑っていく。

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