無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「もしもーし！聞いてる？」

「…失敗したのだろう？もうお前に用はない」

うわ。ひっでぇ言い様じゃん!?

「もしもーし！俺、今まで拘束されてたの!!ひどいじゃん!!何でちゃんと説明してくんなかったの!?」

「聞くまでもないことだろう」

「王女様を誘拐するなんて言えないから？」

「………」

あれ？黙っちゃう？

じゃあ、やっぱり人身売買じゃなくて、誘拐だったのか？

「そのせいで、犯罪者になるところだったんだぞ!?」

「よく解放されたな」

確かに。

警察に引き渡されれば、こんなところでのほほんとしていられなかっただろうな。

「うーん…死んじゃったからかな」

城の中もバタバタした感じだった。

その様子を思い出して呟くと、驚きの声が耳を打った。

「死んだ？」

「え？知らないの？待ち合わせてた男と王女様。崖から落ちて死んだよ」

「な…に……？」

「だからさ、証拠不十分…っての？それで解放」