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プリンス×プリンセス

第9章 ファーストキス

ん…。

何だ?

息苦しくて、身動きが取れなくて…温かい。

眉を寄せ、身じろぎをする。

その途端、口の中に温かい空気がなだれ込んできた。

あまりの苦しさに目を開く。

と。

目の前の光景に、さらに目を見開いた。

絹のようなプラチナブロンドが顔に降りかかって、くすぐったくてうっとおしい。

それよりも衝撃だったのは!

ディオチェスター王子が俺の上に覆いかぶさっていて…

て言うか。

何で俺にキスしてんだよ!?

「気が付いたか?」

唇が離れて、数センチくらいの距離で囁かれたけど、驚きのあまりまともに返事なんて出来ない。

こくこくと頷くだけの俺に

「そうか」

それだけ告げると、さっさと起き上がった。

「ち…ちょっと待てよ」

俺も慌てて起き上がると、ディオチェスター王子が目を細めて話しかけてきた。

「ティアナ、急に倒れたので心配したぞ」

え…あ!

周りを見回せば、ジュークを始め王宮の職員が遠まきに俺たちを見ていて…

俺はまだ姉上の身代わりをしているんだ。



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