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プリンス×プリンセス

第61章 執着心

姉上はディオに微笑み…

その目をすぐにマックスに向ける。

「皆様にあなたのお祝いをしてもらうのですよ?」

にこやかに話しかける様子は、愛情に満ちているようにしか見えない

はず、なのに。

何だか…俺の知っている姉上ではないような気がして…

頭を振って、自分の考えを追いやる。

姉上も立ち直ろうとしてるんだ。

だから…そう思うだけ。

ディオは腕時計に目を落とす。

「そろそろ戻らないと」

「はい。お忙しい所、来てくださってありがとうございます」

ディオは少し頬をゆるめると、何かを言いよどみ…

シルフィに指示出しをした。

「支えてやってくれ」

「はい!心得ております」

深々と頭を下げるシルフィにディオは小さく頷くと、そのまま部屋を出ようとして…

「ちょっといいか?」

「何だ?」

壁に凭れていた背を正し、ディオに向き直ると

「ディオに話がある」

そう言った俺を一瞥すると、静かに答えた。

「歩きながらならな」

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