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プリンス×プリンセス

第62章 お披露目会

銀縁眼鏡の奥の目を細めて挨拶をしてきた。

会うのは2度目なんだけど、あの時は姉上の格好をしていたからな。

バレてない事に安堵して、笑顔で対応する。

「いつぞやは…失礼しました」

「え?」

「その…シエンタが…」

「あ、いえ…。姉からも貴女がその件で心を痛めていると聞いております」

俺の言葉に、ディオが眉を上げた。

お前はあの時そこにいなかったからな。

知らなくて当然だ。

「どうぞお気になさらないよう。シエンタと出会えたのも、私にとってはいい思い出です」

にっこり微笑めば、グレイスは目を丸くして…

そして、くすりと笑った。

「シエンタも見る目がないわ。勿体ない」

「それはどうでしょう?彼もなかなかいい男ですから」

俺の言葉に、グレイスは困ったような、賛同し難いと言いたいような笑いを浮かべる。

そう言えば、前に会ったときも散々な事を言っていたっけ。

グレイスにとってアリオンは、相当に相容れない相手なんだろうか?


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