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プリンス×プリンセス

第62章 お披露目会

「お父様もお母様も…皆、マックスを可愛いがってくれて…」

「兄上までもがな」

「本当。嬉しい反応だったわ」

兄上の表情を思い出したのか、姉上はクスクスと笑いをこぼして…

不意に、唇の端を震わせた。

「ルーミーもいたら…もっと良かったのに…」

「姉上…」

事を抑えるため。

それは分かっているんだ。

だけど、ディオの指図でルーミーは生まれていないことにされて…

その存在すら、消されてしまった。

勿論、エストラーザへの報告も、マックスの事だけ。

「ごめんなさい。お父様たちがあんなに喜んでいるのが嬉しくて…ルーミーが可哀想で…」

王女は生まれてもいないから、亡くなってもいない。

だから葬式も、祈ることも公に出来ないんだ。

「うん…分かるよ」

「もっと…ちゃんと顔を見てあげればよかった」

あの日以来、姉上の後悔はこれだ。

双子を産んで、疲れはてて。

乳をあげるときに少しだけ抱き上げただけで、終わればすぐに部屋に戻されてしまった。


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