テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第62章 お披露目会

お披露目会は滞りなく行われた。

マックスが現れた途端、会場から歓声が沸き上がり、怯えたマックスの泣き声が辺りに響き渡ったのはご愛嬌だ。

マックスの髪と目の色がディオにそっくりな事を、次々に褒められ、愛でられ…

みんなに愛される存在になりそうで、自然と頬が緩む。

「凄まじいものだな」

俺と同じように頬を緩めていた兄上がぼそりと呟いた。

「ん?何が?」

「妹の子供が、ここまでの注目を浴びている」

兄上の表情は微笑んだままなのに、笑みの質が変わった…ような気がした。

「ティアナは…凄い人に選ばれたのだな、と」

「そんなのは今更だろ?」

「まあな。ただ、ここに来ると改めて国の力の差を感じるよ」

そんなの…俺はいつも思ってるよ。

エストラーザとフェールロコノには、格差ってものが付きまとってる。

姉上の結婚が決まった時から感じていたそれは、結婚して…子供が生まれても変わらない。

どうしたって『格下』なんだよ…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ