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プリンス×プリンセス

第64章 置き土産

意気揚々と宣言した彼に

「お前は…」

ディオは何かを言いかけて、言葉を止めた。

想像と違った反応だったのかもしれない。

彼は苛立ったように舌打ちをした。

「早くしないとお姫様がどうなっても知りませんよ!?」

それと共に、私の首元に回った腕が狭められた。

「あっ!!」

苦しい程ではないけど、圧迫感に思わず声をあげてしまった。

「ほら!早く!!」

「解放と言われても…お前と違って拘束もしていないが?」

ディオは手を広げて、呆れたように話す。

確かに老人は項垂れていただけで…ディオが押さえ付けているものではないけれど…

「ここから国に戻るまで、その人に手を出さないと約束しろ」

彼からの要求に、ディオは苦笑いを浮かべる。

「そんな事か…」

ぼそりと呟かれた声は、呆れたと言うより興味を失ったようなもので…

「ジャスティ…だな?」

ディオは彼に向かって問いかけたのに、それに反応したのは後ろの老人だった。


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