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プリンス×プリンセス

第64章 置き土産

「それに…奴の罪はそれだけではないからな」

そう言ってこちらを…捕らえられた男の人を見た。

「あやつは貴様の娘を誘拐しようとした」

え…?

何を言っているの!?

ルーミーを連れ去ったのは…

「娘?」

ディオの声ではっと我に返った。

「さっきから何の話だ?俺に娘はいないが 」

首をかしげ、眉をひそめてディオは話す。

…そうだわ。そうしたんだわ。

「そうだな?ティアナ」

迷いも悔いもない目で問われて…

「はい、その通りです」

戸惑ったように見えるふりをして返事をした。

上手に出来ていたかしら…?

不安に思う部分が出ていたのかもしれない。

国王は私を見て、信じられないとばかりに目を見開いた。

「馬鹿な!!」

「そんな筈はない!!あいつが…ジュークが言ったんだ」

デュアリスの下から男が抗議の声を上げた。

「子供をさらってくるから受け渡しを頼むと!!」

ジューク…キサンタンガムにルーミーを渡して、何をするつもりだったの!?

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