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プリンス×プリンセス

第64章 置き土産

咄嗟に口元を手でおおって驚きを隠す。

すると、ディオの笑い声がした。

「おかしな事を言う」

「おかしいのは貴様だろう!?」

ディオの笑いが止まり、キサンタンガムの国王を振り返って見た。

「義理の兄であり、筆頭執事でもあった男に裏切られ…長年共に過ごしても信頼を得られなかった貴様が!!」

国王の激昂を真正面から受け止めて…

「ご自分は信頼されていると?」

それでもディオは涼しい顔のままでいる。

「そもそも…そこまで信頼しあっていると言うなら…」

ディオは国王からルークスに視線を移すと、指示をした。

「ルークス、あれを」

「はい」

ルークスは懐から何枚かの折り畳んだ紙を取り出すと、キサンタンガムの国王に手渡した。

「これは何だ!?」

手渡された紙を不機嫌そうに見て…国王は目を見開いた。

「な…何だ…これは…っ!!」

紙を握りしめた手がワナワナと震えだす。

国王の驚愕する様子に、ただ事ではないと理解するものの…

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