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プリンス×プリンセス

第65章 キサンタンガムの裏側

は?

「母親って…交通事故じゃなかったのかよ!?」

「車で轢かれたのは間違いない。犯人も分かっている」

こいつだ、と添付されている写真を指差した。

そこには細面な黒髪の男が写っている。

だけどその肩書きが

「キサンタンガムの…広報室勤務?」

あまりの意外さに目を丸くしてディオを見る。

「表向きはな」

「でも…犯罪者なのに王室で働いてるなんて…」

身辺調査が甘いのか。

それとも…受刑者の復帰に寛大なのか?

取り方によってはよくも悪くもなりそうで…

でも俺としてはよくは思えないんだけどな。

顔をしかめた俺に、ディオはフッ…と笑い

「だからこそ適材なんだろうな」

「どういう意味だ?」

ディオは俺の手から書類を抜き取ると

「元々、キサンタンガムという国は裕福な国ではなかった」

パラパラと書類をめくり、1枚を選び出した。

「昔から人さらいが横行していた」

俺に見せたのは、キサンタンガムの諸外国との輸出入の内訳。

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