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プリンス×プリンセス

第65章 キサンタンガムの裏側

「中でも10代の子供が一番需要が高いらしい」

需要?

それでこの表を見せてくるって…

「労働者としても、臓器としても、な」

ディオの語った内容にぞっとする。

「それに…王室が絡んでるって言うのか?」

自分の国の民で…人身売買と臓器売買をしてるって!?

信じられない話に、驚くばかりで受け入れられない。

「あの国は、低所得な家庭が多いと聞く」

ディオの声は淡々としていて…それが余計に突き刺さる。

「自分一人生きていくのも辛いような…そのような家へ出向いて、打診をかける」

打診、って。

自分の子供を身売りしないか、って?

「広報室での奴の仕事は、そんな内容だそうだ」

話の重さにため息しか出てこない。

「仕事とはいえ…辛いな」

「奴自身も同じ境遇だからな」

「は?」

「見ていないのか?経歴に書いてあるだろう?」

言われて読み返せば…あぁ、確かに。

15歳の時に身売りされたのか…。

「それがどう流れ着いてこうなったのかは謎だがな」

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