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プリンス×プリンセス

第67章 懐かしき異郷

そうか。

カムリにとっては外遊デビューなのか。

まぁ、今回は公務じゃない、完全にプライベートなものだから、仕事に惑わされる部分は少ないだろうけど。

だからその分も楽しまないとな!

へへっと笑いを浮かべると、ディオのため息が聞こえた。

「何だよ!?」

「相変わらずだな」

失笑を買ってしまったかのようなディオの態度に、思わず顔をしかめると

「ほら、あなたたち。仲良くして下さいね?」

姉上が俺とディオを等分に眺めてから、最後はマックスに話しかける。

「マックスのお祝いの旅行なんですから」

……あ、そうだった。

エストラーザへ帰る前の旅行、って頭でいたから、当初の目的を忘れるところだった。

「大丈夫。安心しろよ」

親指をたてて合図を送れば、姉上は困ったように微笑んでいて…

「安心など出来る理由がない」

あきれたようなディオの声に、つい眉を吊り上げてしまう。

「あのなぁ!」



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