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プリンス×プリンセス

第68章 それぞれの休暇

湖の花を見てみるけど、そもそもこの距離だと違いなんか分からない。

「何か気になるのか?」

俺の問いに、姉上は首を横に振ると

「私、同じ花だと思っていたから。…違うのね」

「へぇ…そうなんだ」

そう言いながらも、ハッキリ言って睡蓮と蓮の違いなんか考えたこともない。

薔薇なら違いが分かるけど、それ以外のものについてはからっきしなんだ。

それが分かったんだろうな。

姉上は小さく笑うと、違いを教えてくれた。

葉っぱの形、花の咲く位置。それと…

「睡蓮の花は長持ちするけど、蓮は花が開いてから3日で枯れてしまうんですって」

3日!?

「早いんだな」

知らなかった情報に目を丸くした。

すると、俺の言葉を聞いて、姉上は暗い顔になり

「そうね。本当に…早いわ」

そう呟いて、湖を見続けている。

湖を見ているはずなのに、その目はどこか別の…遠い場所を見ているように思えた。

姉上は蓮に思い入れがあるのか?

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