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プリンス×プリンセス

第68章 それぞれの休暇

部屋に戻る姉上をそのまま見送って…

一人になったテラスで、さっきの姉上のように外を眺めた。

…うん、綺麗だよな。

整地された庭も、湖も、その後ろに拡がる山並みも、心惹かれるものはある。

でもそれは、どちらかと言えばエストラーザの景色に似ているから…

エストラーザが懐かしくて、それの代わりとして気持ちが揺らいでいるのが強いんだと思う。

だからと言って…

今すぐ帰りたいと思うほど、ホームシックになってる訳じゃないんだけどなぁ。

それでも。

一旦は戻らなくてはいけないのは変わりなくて。

気持ちの整理が付かないまま、ため息をついた。

そういえば、ディオが留学してた時も、この館で過ごしたって言ってたな。

ノスタルジーがどうとか言ってたっけ。

あの時も睡蓮に妙に反応してた気もするし。

あいつもこの景色を綺麗だって思ったのかな…?

……聞いたところで、まともに答えてはくれないだろうけどな!

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